紅

約7年前に起こった、熊谷市内での犬事件

大きな木々に囲まれた家で犬が繁殖していて

そのたくさんの犬たちが屋敷外に逃げ出し

人に飛びついたとか怪我させたとか、何とか？？

ヘリは跳ぶわ警察はバスでやってくるわ

保健所の職員さんたちは、血相変えてウロウロしてました

それぞれ棒を持っていたり、首の閉まるワイヤーの捕獲道具をもっていたり

猫でなく犬ともなると

人間は武器無しじゃ抗えない、ということです

そんな大きな事件も、県外の力のある団体さんの介入により

殺処分なく、全頭保護になったと聞いています

「すごい」と思いました

あれだけの数のほぼ野犬を一気に引き受け

行政を説得し、殺処分なし

こんな人、他にはいないだろうな、、、

それまでの成り行きを考えると

全頭殺処分になるのか、、、程の出来事でしたから

本当に良かった、、、

完全に他力本願での安堵

地元で活動しながら

情けなさの中でも、ホッとしたのを覚えています

それから2年程たったある日

事件のあった屋敷は、家主もいなくなりもぬけの殻

、、、のはずなのに

何故か人慣れしてない犬がウロウロしてるとの情報が舞い込みました

今さら何故？いつから？どこから？

どうやら、事件当時子犬だったその犬は

隣りの家の飼い犬のごはんを貰いながら成長し

生き続けていたという事が分かりました

幸い目撃情報は1頭だったので

他を頼らず、自分たち地元で何とかせねば、、、と

保護の決意をしました

確認に行くも、警戒心の強い犬は遙か彼方、、、

その時の私には、捕まえようもない状況、、、

ということで、保健所に相談し

捕獲後にセンターから引き出し

もひかんでの保護となりました

紅葉の季節だったから

名前は「紅」(べに)

写真は職員さんから渡された直後ですが

私のオマタはジンワリと温かくぬれてきて(オシッコで(笑))

ボトボトと下にう〇こが落ちました(笑)

顔を見ると分かると思いますが

身体は硬直し、緊張マックス

よく噛みつかないな、と

不思議なくらいでした

何と愛しいのだろう、、、と、その時の感覚を

今でも覚えています

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それからしばらく、紅との戦いは続きました

犬の勉強はしてきましたが

野犬の世話など、一度もしたことなかった私、、、

完全に舐めてました

保護翌日には、大きなキャリーの扉を壊し、基地内の扉を2箇所突破しました

翌日には、頑丈なケージも破壊しました

人の気配のある時間帯は、おコタから一切出てこず

人の気配がなくなると、外へ外へ逃げようと

所構わず破壊を始めるのです

これではいつか基地が壊されてしまう

そしたら紅も猫も、みんな逃げてしまう

たくさんの子達を抱える私には

紅と向き合う時間は、そうは取れなかったのです

それから鉄格子での大きな檻を作ってもらい

無人になる時間は檻の中、、、という日々が始まりました

檻のなかでも紅は破壊を続け

せまい基地内、手の届くものは全部檻内に引き込みグチャグチャに

鉄の檻に噛みつき、鍵を壊し、犬歯は削れ、歯は鉄の色になりました

どれほどたったころか、、、

数年かけて、紅は精神的にかなり落ち着き

鉄の檻は、必要なくなりました

朝基地に入れば、一番のお出迎えは紅

破壊をするこもなく、お散歩もほんの少しできるまでに

猫とも仲良くできるし、本当に手のかからない子になりました

ただ、やっぱり

一度逃げたら、二度と帰ってこないだろうとの不安は消えぬまま

外での扱いには充分注意が必要でしたし

病院に行けば、オシッコう〇こは漏れなく漏らしていました

ここまで、5年

私が1対1で向き合っていたら、数ヶ月だったかもしれない

多くを抱えるもひかんだからこそ、時間を費やす事をしてやれずに

5年もかかってしまいました、、、

そして、今でも紅は

1日1日、少しづつ人間と共に生きる犬に

変わっていたのだと思います

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紅は先日、里親さんの元へ行きました

まさか、紅を託せる方から手が上がるとは

思ってもみませんでした

なんと、、、紅大暴れの時期に

鉄格子の檻を作ってくれた方です

全てを理解した上で、ほんとうに男気溢れる里親希望

何があっても家族、という根底が

揺るがない里親様です

今から私には

目には見えない何かを乗り越えた先の

紅と里親さんご家族の幸せな景色が浮かんできます

遠回りをさせてしまいましたが

私たちが去った後の表情をみて初めて

紅との5年間で築き上げた成果を目の当たりにし

紅は、私が思ってるより遥かに

私たち基地の人間を、信用して生活していたのです

ご家族との信頼関係が築けるまでの道のりは

そう長くはないはずです

見た目は可愛らしく美人さん

中身はカチコチの頑固者(笑)

ドンと構える里親様ご家族と一緒に

一日でも長く、幸せな時間を過ごして

最期を迎えてほしいと願います

紅よ、さらばだ！

もひかんに来てくれて、本当にありがとうね

お互い、大変だったなぁ～(笑)

よく頑張った！

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

余談

もちろん、里親様宅への行きの車でも、脱糞いたしました(笑)

到着するや否や、ケツ毛をバサバサ切られる紅(笑)

基地での最後の写真↓

猫たちよ、頼りになる紅さんがいなくなって

イザコザしないでね(笑)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

紅の生涯の責任を重々感じでいたからこそ

人間との深い関係を必要とする犬の譲渡だからこそ

今回の紅の譲渡は、私の中でとても大きな出来事でした

今回のブログは日記みたいなもんです

読んで頂き、ありがとうございました

活動報告はたんまりと溜まっております(笑)

足利現地確認終了、介入へ↓

熊谷市内新規相談、緊急で現地へ

現地で緊急妊婦猫保護↓

この後TNRへと移行します

継続していた捕獲は完了、新規保護です↓

病院搬送もあり

もちろん日々の基地作業は欠かさずに

活動の詳細は、後ほど詳しくご報告致します

16日の相談会、お待ちしてまーす！

あ、↑の写真は

紅の基地最後の日です

ハタチ超えのちゅうくんとお別れタイムかな？