TNR ~ 猫の耳がカットされている理由 ~

TNRは、「Trap(捕獲)、Neuter(不妊手術)、Return(元の場所に戻す)」の頭文字で「地域猫活動」とも言われています。地域猫とは、特定の地域において人間によってお世話がされている野良猫のことです。

もひかん王国では「一代限りの猫の命を優しく見守る」という目的をもって活動しています。

STEP
Trap(トラップ):捕獲すること

猫がケガをしないように注意します。捕獲器を仕掛けている間、その場所を離れません。
捕獲に成功した場合、すぐ捕獲器全体を布で包みます。布で覆ってあげることで、野良猫は落ち着くことができるからです。

どうやって捕まえるの?

猫を保護、捕獲するときに使用する捕獲器というものがあります。決まった場所、決まった時間にエサやりを行い、餌付けをした後に、捕獲器を設置して捕獲します。

捕獲に準備するものは?

簡易ケージに新聞、ペットシーツを敷いて、ティッシュを10枚ぐらい入れたもの。簡易ケージを覆える布(バスタオルなど)。カラビナや結束バンド。

捕獲が成功した後は・・・

捕獲器からケージに移す際は脱走されないよう必ず室内で行ってください。猫が落ち着くように薄い布で目隠しをしてあげましょう。保護場所や搬送先の病院等での脱走に十分な注意が必要です。

STEP
Neuter(ニューター):不妊手術すること

不妊手術をした猫は、処置したことが分かるように、耳の先をカットし目印をつけます。
カットされた耳がさくらの花びらに見えることから、「さくら猫」とも呼ばれることがあります。

なんのために不妊手術するの?

猫の繁殖力は、ねずみ算式。ほっておくと どんどん増えていきます。
1年に2~3回出産し、1回の出産で約5匹の子猫を産み、その子供は生後約半年から子供を産むことができます。つまり、1匹のメス猫が1年後に50~70匹に増えている可能性があります。

なんで耳カットするの?痛くないの?
可哀そう・・・

一度手術をしたけど、見た目でわからないために何度も捕獲器で捕まえて麻酔をかけられ、お腹を開かれることがないように、ひと目でわかる目印をつける必要があります。捕獲され、全身麻酔をされているときに耳カットをするので、猫にとってそこまで痛くなく、一番負担が少ない方法として耳カットを行います。
V字にカットされた耳がさくらの花びらのようなので、「さくら猫」と呼ばれています。

STEP
Return(リターン):もとの場所へ戻すこと

不妊手術後の経過観察を経て経過が良ければ、もとの場所へ戻します。
猫の状態によっては保護期間を延長し、猫の様子をみて判断します。

なんで元の場所に戻すの?
保護すればいいのに・・・

すべての猫たちを保護できる施設はありません。また、お世話できる人もいません。成猫で一匹で生きていく力がある子は元の場所に戻し、定期的に餌を与え、地域で可愛がる=地域猫 にします。猫の状態によっては保護期間を延長し、猫の様子をみて判断します。

その後
Management(マネージメント):管理すること

特定の場所でエサを与えることや、トイレの設置・管理を行い、地域で可愛がる「地域猫」として生活していきます。

日本では1年間に
約8千頭の犬と3万1千頭の猫が行政に殺処分されています。

過酷な環境での野良猫の平均寿命は4~5年です。その上、残念ながら日本では犬猫を含め年間4万頭が苦しみながら殺処分されています。

なかでも、猫の殺処分の80%が産まれて間もない子猫なのです。

【殺される命を産ませない】をスローガンとし野良猫を捕獲し、不妊手術をし、元の地域に戻すという活動(TNR)を行っています。

猫の殺処分は通称ドリームボックスと呼ばれる殺処分用の機械で5~20分かけて炭酸ガスで窒息死させます。ドリームボックスとは「眠るように安らかに旅立てる」という意味を込めて名付けられたようですが、こうした表現は保健所や動物指導センターに持ち込む飼い主の罪悪感を緩和してしまう恐れがあります。一般的に持ち込みされた猫は3~7日以内に飼い主が見つからない限り、処分されます。